マニュアルと聞くとおもっ苦しく、読むのも見るのもめんどくさいですよね?
ましてや作るとなると何から手をつけていいかわからない。
- 基本マナーとは?
- マナーを知る必要性?
- マニュアルの作り方が知りたい
前回お話した「ホスピタリティー」に続き、今回はマニュアル作成第二章として「基本マナー」を解説します。
働くスタッフは様々で、価値観も違います。基本的な作業はこなせていても、はたして同じ水準でしょうか?
そこを解決するのが、マニュアルなんです。
マニュアルにマナーを記し基礎を築くことで、売上を生み出す人材のパフォーマンスを最大化できます。
マニュアルシリーズの記事はこちら
飲食店マニュアルで従業員パワー最大化vol.1【マニュアルの必要性】
マナーを知る必要性
従業員のマナーが悪く、お客さんの心象を悪くしてしまった経験はありませんか?
当然の事ながら、1度気分を害したお客さんの心象を良くすることはたいへんです!
こう言われるのが目標です。
逆を言えば、たったこれだけでも競合に勝る武器になります。
マナーとは、より良い空間にしていくためにも必要ではありますが、一般教養として従業員に学びを与える事も企業の大切な業務の一つです。
基本マナーを知る前に
どんなお客さんにも不快感を与えないのがマナーです。
多種多様なお客さんがいる中で、きちんとしたマナーで接すれば、好印象を持っていただくことができます。
☆その好印象を持っていただく為には、まず第一印象が重要!
☆接客業においては、外見と音声がとても重要なポイント!
以下が参考文献の概要です。
「人は五感のうち、どの機能から最も多く情報を仕入れるのか?」の実験結果では。
参照:産業教育機器システム便覧(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)その結果は
- 人は情報を仕入れる際に、94%は視覚と聴覚に頼っている。
「人が第一印象を決定付ける要素」についての実験も行われました。
メラビアンの法則 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』その結果は
- 視覚情報で判断する割合は55%
- 聴覚情報で判断する割合は38%
- 言語情報で判断する割合は7%
外見と音声を合わせて93%も占めています。もっとも重要だと思われた「言葉や話の構成」は、わずか7%しかありませんでした。
第一印象の重要性がお分かりいただけると思います。
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基本マナーとは
第一印象も含め、好印象を与えるためにも今からお話する6大マナーのポイントをおさえていきましょう。
飲食店の6大マナー
- 笑顔
- 身だしなみ
- 声・返事
- 姿勢と行動
- 挨拶
- 言葉遣い
笑顔
喜んでもらおう、楽しく仕事しようの心構えがなくては、自然な笑顔はでないでしょう。
爽やかな笑顔をしているつもりでも、不自然な固い笑顔になっている事もあります。
就業前に鏡で「自分の笑顔」をチェックさせよう。
更衣室やお客さんの見えないキッチン内には鏡を置くようにしてみましょう。
なので初勤務前には必ず、「人にはその日の機嫌の浮き沈みがあります。でも、あなたの機嫌で他の人の気分を害して何になる?仕事です。そこはスイッチを入れましょう。」とじっくり説明します。
身だしなみ
身だしなみが乱れていると、どんなに素晴らしい接客をしても、お客さんに満足していただけないでしょう。
実際に使用しているチェックリストを参照ください。
貴店で活用する際はExcel形式も貼っておきますのでご自由にお使いいただければと思います。
声・返事
信頼を得れる「はい」
「はい」の返事ひとつで、伝わる雰囲気が変わります。雰囲気の良い店を演出するためにも、スタッフのやる気をあげるのにも重要です。
相手に好印象が伝わる「はい」は以下のポイントをおさえましょう。
- 語尾を少し上げる事
- 短く切る様に言う事
声の使い分け
また、声のトーンに変化を持たせることで雰囲気を操作することも必要です。
お客さんの状況に合わせた声の出し方ができればベストです。
やや高めのトーン
- 楽しんでいただきたい時
- お客さんの喜びに共感する時
- お礼を伝える時
- お客さんが楽しそうな時
やや低めのトーン
- 落ち着いた雰囲気を味わっていただきたい時
- お詫びをする時
- お客さんがお疲れのご様子の時
僕はスタッフが笑顔で接客を行ってもらうために、先頭に立ってハキハキした声を出すように心がけています。なぜなら、「郷に入っては郷に従え」ではないですが、普段から環境がそうならば、誰しもが同じように振舞いまいます。
姿勢と行動
のろのろした行動から誠意は生まれないので注意が必要!
所作は大事にするべきです。従業員は常に見られている意識が必要になります。
ウェイティングの状態でも、たまたま壁によりかかったり、しゃがみ込んだりしているだけでも、ふと目に入るとお客さんの気分は下がってしまいます。
立ち方
姿勢の8割は立ち方で決まります。すべての基本です。
- 背筋を伸ばし、胸を張る。
- 表情はにこやかにする。
- 首を伸ばして顎を引く。
- 手は常に前で組む。(指先はまげない)
- かかとを揃え、足先を開く。
歩き方
忙しくても決して走ってはいけません。早足で行動してください。
- 背筋を伸ばします。
- 手は自然体で振る。
- かかとを引きずらないように直線を描くように歩きます。
お辞儀
1.背筋を伸ばし、腰から上半身を傾ける。(この時、身体と頭は一直線になるようにする。)
2.三拍子の呼吸で『①で相手を見、②で礼、③で起こす』
②での目線は相手の鼻から胸のあたりを見るように心がける。
③ゆっくり起こすとカッコ良く見えます。
お辞儀は大きく分けて3パターンになります。
会釈(15度のお辞儀)【挨拶・すれ違い時に】
- 相手の胸元から腰を見ます。(2m先を見るつもりで)
- 両手中指が5cm程下に降りるぐらいの姿勢
敬礼(30度のお辞儀)【お出迎え・お見送り時に】
- 足元から1.5m位先を見ます。(1m先を見るつもりで)
- 両手中指が膝にギリギリかかるぐらいの姿勢
真礼(45度のお辞儀)【お願い・お詫び・お礼時に】
- 足元から1m位先を見ます。
- 両手中指が膝の中央部にかかるぐらいの姿勢
お辞儀した頭が上がりきらない内に次の動作に移ってはいけない。
その他
- 待機中も笑顔で、目線を行き届かせる
- 長い間じっとせずに店内を動き、お客さんに呼ばれる前に声かけ、注意される前にバッシング等、積極的に動きましょう!
- 接客中は、お客さんと目線が合う様な姿勢を保ちましょう!
- お客さんと話する時、聞く時は、正対しましょう!
やってはいけない姿勢・行動
- 柱や壁にもたれかかる。
- 仕事中にあくびをする。ほおづえをつく。
- 首から上に手をやる。 (髪をさわる 等)
- 腕組みをしたり、手を後ろで組む。
- ご案内する時に人差し指を使う。
- お客さんのうわさや批判をしたり、お客さんを見てクスクス笑う。
- 従業員同士で、仕事に関係のないおしゃべりをしていて、お客さんに気が付かない。
- 特定のお客さんと特別に接する。
- 落としたものを使う。
- お客さんを見つめたり、指をさす。
- お客さんの質問にいい加減に答える。
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挨拶
挨拶はコミュニケーションを取る為の最初のステップと意識しましょう。
- いらっしゃいませ
- かしこまりました
- 少々お待ちくださいませ
- お待たせ致しました
- 失礼いたします
- 申し訳ございません
- 恐れ入ります
- ありがとうございます
- またどうぞお越しくださいませ
以上は、お客さんをおもてなしする上で大変重要な言葉です。
お辞儀のタイミングや申し上げる際の注意点は別記事にございます。ご興味ございましたらお読みいただけたらと思います。
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言葉遣い
言葉遣いにおいては一定のトレーニングは必要かと思います。相手を尊重し、プロの仕事をしようという決意があれば、自然と使いこなせるようになります。自然と会話の中で出てくるよう、普段から注意して使用してみてください。
もし相手の気持ちを考えず、乱暴な言葉を使ったらどうなるでしょう。相手は傷つき、悩み、チームワークは乱れ、仕事に集中しなければならない神経をそがれ、仕事はおろそかになってしまいます。皆がつまらない思いをし、お店も利益を失います。
お客さんだけでなく、スタッフ同士の話し方にも礼儀と正しい言葉遣いが必要です。いつ誰と接する時でも、相手の気持ちを考えた思いやりをもった言葉で接しましょう!
まとめ
今回は基本マナーについてお話しましたが、実際これが全てではありません。この「基本マナー」のマニュアルを作る際は、多くの配慮が必要になるでしょう。
ただ、長年にわたり飲食業に携わってきた僕は思います。
「お客さんは人です。」お客さんも人です。我々も人です。神様は崇めても一銭も評価はいただけません。なのでお客様とはあえて表記しませんでした。
お互いが、人である以上、おもてなしやお店のこだわりを伝えようとするならば、「言葉」と「姿勢」で伝えねばなりません。
マナーの根底にある「心意気」を大切にせねば、決してマナーを学んだとしても無駄にしかならないと思います。
熱意をもってマニュアルに落とし込んでください。
Where there is a will,there is a way.
意志あるところに道は開けるアメリカ合衆国第16代大統領 エイブラハム・リンカーン 引用:wikipedia
この記事があなたにとって活きた情報になれば幸いです。